NARSのケースのベタベタを、無印良品で解決した話～ケース移植の備忘録～
--NARS cosmetics.
それは遡ること25年前、バーニーズ・ニューヨークでリップスティック12本のローンチをもって立ち上がりました。
混ぜても発色が濁らないアイシャドウ、自分に自信が持てるようなリップ、色とりどりのカラーメイクが映えるベースアイテムなど魅力的なプロダクトを今も精力的に発売し続けるメイクアップブランドのひとつです。
そんなNARSの少し前のアイテムを持っている方の殆どが一度は直面するであろう問題。
そう、「NARSの黒いケースベタベタになりがち」。
最早あるあると言っても過言ではない（過言）この問題ですが
今回ベタベタになったNARSのケースたちを、無印良品のアイテムを使うことで強制的に解決したのでその事の顛末を書き記したいと思います。
無印良品週間中ですしね（2019年12/15現在）。
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※以下の記載については、製造・開封後時間が経った化粧品を使い続けることを推奨するものではありません。
これはNARSを愛好する余り、アイテムというより思い出を捨てられなかった人間による実録記です。
お試しされる場合はあくまで自己責任にてお願い致します。
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ベタベタになっちゃったNARSのケースをお持ちの方だったら共感していただけるのかなと思うのですが、ベタベタのケースってそれだけでテンション下がりません？
メイクという一日一度の道楽、楽しい時間を大好きな筈のNARSのアイテムを使用しているというのにケースがベタベタするというだけでちょっとげんなりする。
色出しは最高なのに、ベタベタケースに入っているとやっぱり伸ばした食指がためらってしまうんですよね。
これはNARSissistとして宜しくないぞとは思っていたのですが、何分そこそこの数を所持していたため重い腰を上げられずにいました。
（関係ないけどNARSissistってネーミング、ナルシストとかけてるんですよね？NARSのメイキャップを通じて自己愛とか自己陶酔を深めるというニュアンスを感じてすきです。自分ではほぼ使わんけど）
ネットには人類の叡智が詰まっているので、ひとたび検索すればこれまでも先人たちが多くの方法でこのNARSのケースベタベタになっちゃう問題と向き合ってきたという事実を垣間見ることが出来ます。
ある人はフェイスパウダーをはたき、ある人はマイペットやアルコールで磨き……。
どれも有効な手段なのですが、何分こちとらそこそこの数を持っている！
チークとシングル・デュオアイシャドウと数えると100まではいかないにしろまあまあ数はある訳です。
これ拭いたり粉はたいたりするの普通に気が遠くなるなぁ……というのがひとつ、また経年劣化によってケースそのものが壊れているものも散見されていました（ヒンジの部分からぼろっといって蓋と本体が分離している）。
そのため、わたしは今回ガワの部分を総取っ替えすることにしたのです。
ケース選定にあたり、折角一斉に取り換えるなら出来るだけ揃いのケースがいい。
それが今回コスメ収納棚がぶっ壊れ（何だかんだ10年位使ってたワゴンのスチール軸が折れて傾いた）その取り替えついでとばかりにNARSの外装移植を決めたわたしの希望でした。
そして、ケースを揃えるにあたり以下の条件も重要だと考えました。
・サイズ、見た目ともに統一感があるもの
・ケースそのものがコンパクトで、単色でセットできるもの（アイシャドウは大まかに色単位で仕訳けて保管しているので）
・まとまった数量手に入れることが出来、買い増しが比較的容易であるもの
・一つあたりの値段が抑えられるとより良い
ケースのサイズが揃ってると収納が楽＆見た目がきれい、また見目の関係でキャラクターやイラストのプリントがないものが望ましいと考えました。
同時に最終どの位の数になるかも分からなかったので、思い立った時に買い増しが出来るものが良い。
そうなったら、考えることは一つです。
「無印しかあるめぇ……」
という訳で早速オフィシャルのオンラインサイトをチェックしました。
無印といえば自作コスメパレットで少し前に話題になりましたよね。
私は余り外でしっかりめの化粧直しをしないので、そこまで話題に乗っていなかったのですが今は当初のように自分でケースをカスタムせずともオフィシャルでコスメパレットなるものが用意されていて、無印のコスメなら結構汎用性高く入れ替えられるみたいですね.
ネットマーケテイングが上手い、無印。
今回わたしの目論見を満たすものとして、こちらかなと最初に目をつけていたのはこの「クリア小物ケース」でした。
透明度の高いケースであることはポイントが高かったのですが、単色でのセットが難しそうなところ、そしてお値段によって保留となりました。
いや、ケース一個で考えると決して高くないんだけどね……何分数が……。
色々見たり試したりした結果、わたしが実際に選んだのはこちら。
「ポリプロピレン小物ケース」
SS:
ポリプロピレン小物ケース・ＳＳ ３７×６３×１２ｍｍ 通販 | 無印良品
S: ポリプロピレン小物ケース・Ｓ ３７×１００×１２ｍｍ 通販 | 無印良品
M:
ポリプロピレン小物ケース・Ｍ ６４×５２×２０ｍｍ 通販 | 無印良品
わたしは上にリンクを貼ったSS、S、Mを使用しました。
また、わたしが代替ケースを選ぶにあたり調べたり測ったりしたNARSのアイテムたちのサイズ及び無印小物ケースの内寸（こっちはオフィシャル）もメモ程度に記載しておきます。
素人採寸ですが、何かのご参考になりましたら。
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⋆NARSのアイテム:
Blush:W 5.1 × H 3.8 cm
Duo eyeshadow（本体１つあたり）:W 2.2× H 3.1 cm
Single eyeshadow:W 4 x H 3 cm
高さについては、無印のケースなら問題なかったです（測り忘れた）
⋆無印ポリプロピレン小物ケース（内寸）:
SS:58.5 ×31.5 ×8.5 mm
S:95×32×8㎜
M:60×46×16.5㎜
※こちらの内寸表記は無印オフィシャルサイトより引用させていただいてます
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コスメ本体とケース適合サイズですが、結果的にいうと以下の通り。
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SS:
シングルアイシャドウ1/デュオアイシャドウ1ペア（台座なし）→クリアカバー:シングル〇/デュオ×
S:
シングルアイシャドウ2/デュオアイシャドウ2ペア（台座なし）→クリアカバー:シングル〇/デュオ×
M:
チーク1（台座あり・なしともに）/デュオアイシャドウ1（台座あり）→クリアカバー:チーク・デュオ〇
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チークとデュオアイシャドウの後ろに書かれている「台座」は、ケースを開けたときに見える黒いベースの枠みたいなのです。
⋆これ（曲がってて失礼）
NARSのカウンターでタッチアップしていただいたことがある方なら分かるかもですが、BAさんが引き出しの中から取り出した状態のやつが台座ありの状態。
台座の有無について記載が分かれている理由は後程記述します。
ちなみにクリアカバーは、ケースの中に入っている鏡を守るロゴ入りのアレです。
入れたい方もいると思うので（わたしのように）。
わたしの結果からお話しすると、デュオアイシャドウはほぼSSに、
シングルはSに似た色を二つ並べて、チークはMにそれぞれ収納する感じになりました。
小物ケース、Mだとチーク本体と比較すると相当ケースの厚みが出るのが難点なんですけどね……。サイズ感は概ね良い。
あと、わたしは先述の通りほぼアイシャドウ・チーク類は持ち運ばないので上記の適合サイズにはチップやブラシを入れるみたいなのはない状態で考えています。
ほぼ本体だけで収まるサイズとしてお考え下さい。
移植に際して用意するものですが、わたしは以下を用意して挑みました。
- 移植したいアイシャドウ・チーク
- 無印の小物ケース
- 両面テープ
- マイナスドライバー（先が細めのものが望ましい。わたしは小さめのサイズでやりました）
- 無水エタノール
- アトマイザー用の注射器
- ティッシュ/ウェットティッシュ
- 品番のシールなど（必要に応じて）
汚れても大丈夫な服装、環境でトライしてくださいね。
あと作業していく内に手もベタベタしてくるので、併せて触れた道具もベタついてきますのでご注意を。
わたしは以下のような手順で行いました。
(1)本体と鏡の部分を離す
ケースから取り外しやすくする為に、本体と鏡の接続部分を外します。
わたしは品がないので気持ちをゴリラにして本体と鏡を普通とは逆側にへし折り外しました。
これ、経年劣化で駄目になってるケースも多かったのでそんなに苦労なかったんですが中にはきちんとついたままで、折るときに破片が飛び散るケースもあったので作業する際には十分ご注意を。
こんな感じのベタベタケースの（お見苦しさのあまり白黒）
蓋を開いて
折ります
(2)本体とケースの隙間にドライバーを差し込む
全体を観察すると四方の内、いずれかは若干隙間がありますのでそこにドライバーをぐっと差し込みましょう。
ちなみにデュオとチークは黒い台座がありますが、シングルアイシャドウは本体がアルミ？スチールのベースだけです。それがそのままあの黒いケースに収まっています。
そのため、ドライバーからの衝撃が比較的伝わりやすいのでここでゴリラの気持ちのままで作業を進めると、高確率で中身に亀裂が入ります。
割れてもエタノールプレス（*後述）出来るのでアレですが、亀裂は入れないに越したことはないので慎重に進めましょう、
これ、本体の接着剤次第なんで何とも言えないのですが、
ドライバー差し込む→ぱこっとすぐに外れない場合は、ドライバー差し込んだ隙間からアトマイザー用の注射器に入れたアルコールを流し込む、とやると接着剤が剥がれやすくなり割れのリスクを軽減できます。
てこの原理でもケースから外れはするんですが、無茶すると十中八九中身が割れます。
（*やってる内に割れやすい中身の傾向も掴んだのでこちらも後述します）
外れました
2-2）チーク＆デュオアイシャドウの場合
チークとデュオアイシャドウですが、先ほど無印のケースの適合サイズにかんする記載をした際、台座の有無についての記述があったかと思います。
これ、なんでこの記載をしているかというと個々のアイテムによって台座のサイズにほんの少しの差があり、これによってMサイズのケースに台座ごと収まるか収まらないかという問題が出てくるからです。
*接着剤がミシン目状にしっかり入っている場合
大体外すのに苦労するのがこのタイプです。しっかり本体が接着されているので。
この接着痕の入ったケースの場合、Mサイズには納められない可能性が高いです。
その場合、台座から剥がし、本体のみでケースに収める必要が出てきます。
・接着剤がなんか適当についている場合
これ、写真に収められてないんであれなんですが本当にべちゃっと適当についているケースがあります。それだとほぼ、台座ありのままMサイズのケースに収められます。ラッキーラッキー✌
台座にかんしては多分本当に1㎜とかの差なんですが、その差が結構大きくてこのミシン目タイプの台座だとMサイズのケースにストレートに入りません。
ゴリラの気持ちで無理矢理ねじ込みましたが浮いてきちゃって駄目でした。
このサイズ問題、よりコンパクトに持ち歩きたいとかケース幾つどれを買うか問題みたいなのもあると思うので一概に良し悪しはないかもなんですが
メリットとしては台座があることで取り外し→ケース入れ替えしても本体に干渉しにくい（＝割れにくい）というのがあります。
この移植、失敗すると本当にNARSの広告ビジュアル位派手に割れ砕かれるので台座ありに越したことはないかなというのが個人的な見解です。
あと、台座外す→本体外すというステップが一個減るので単純に作業の工数を一個減らせます。
3）無印のケースに入れ替える
・台座がないチーク、デュオ/シングルアイシャドウを収める場合:
底面の接着剤や飛び散った粉をふき取り、両面テープを貼る→無印のケースに収める
・台座があるチーク、デュオアイシャドウを収める場合:
底面の接着剤や飛び散った粉をふき取り、ぐいぐい無印のケースに押し込む→浮かなくなる位まで収める
これで完了です。
あとは、裏面に名前のシールを貼ったり書いたりすれば管理しやすくなるかと。
汚い写真ですが一応移し替えたやつの写真なんかを。参考イメージになれば幸いです。
⋆台座なしブラッシュ
横から。2枚は収められそうな厚さ。
⋆台座なしデュオアイシャドウ
裏
⋆台座ありデュオアイシャドウ
裏
押し込んでるのでやや歪が……（使う上では全く気になりません）
⋆シングルアイシャドウ
クリアカバーが汚くて申し訳ない。
裏
⋆トリオアイシャドウ
一時期限定でよく出ていた形ですね
ちなみに先述した移植時割れやすい粉質ですが、個人的な体感は圧倒的にこの2つが割れやすかったです。
・マット:
チャイナブルー、ダフネ、アウトリーマーとかのラメ感ないマットはほぼ割れました。
無事かと思ったD.ゴージャスは移植後落としたら割れた……（自己過失）。
単色ダーク系でも多少ラメ感のあるフジとかは割れないんですよね。
ただこの辺のアイシャドウについては既にリニューアルして新フォーミュラで発売されているかと思います。
NARSのマットシャドウ、リニューアル品の発売後お世話になっているアーティストさんが「これわたしたち（アーティスト）がもう要らなくなるんじゃないかと思う位アイシャドウそれぞれの粉質の癖がなくなっている。どれも均一に、美しく伸びて使いやすい」とご謙遜を！という感じの太鼓判を押してたので商品的にも普通に新フォーミュラで買い替えた方が良い気がします。
今のシングル本当に粉質安定しててきれいですよね。粉質一切パサパサしてないし。
・粉質やわらかい系
逆にパールなどが大量に含まれている系も割れました。
普通に割れやすかったミシシッピマーメイドやレイジ辺りもしっかりたっぷりきっかり砕けたので作業の際はご注意を。
結論としては気を急いてゴリラのお気持ちで作業を進めると、割れる。
亀裂の入ったアイシャドウですが、わたしはアルコールの入った注射器を割れた個所にしっかりめにかける→ティッシュで上からプレスという感じで対応してました（エタノールプレス）。
駄目な位砕けたのは諦めたりもしたけど……。一応この感じで対処は出来ますのでご参考までに。
また、移植して実際に少し使ってみたので自分なりのメリット、デメリットなども書いておきます。
メリット:
・ベタベタしない
このためにやってるので当然といえば当然ですが、手に取る瞬間の「うっ……（ケースベタベタなんだよなぁ）」という逡巡や葛藤がない。それだけで気分がいい。
・半透明ケースなので中身が一目で分かる
NARSのシェードネーム（USネームとも呼ばれるアイテムそれぞれについた名前です）で覚えてるものも多かったのですが、開けずに一目で確認できるのはメリットですね。
アイメイクしながら、「こういうイメージの色～……」がぱっと選べます。
・軽い
ケースそのものが軽いので持ち運びの時の軽さが半端じゃない。
お前化粧品持ち歩かない言うたやんけとお思いかも知れませんが、わたしが一番このメリットを強く感じたのは旅先でした。
メイク物のポーチ、どうしても重くなりがちだけどその重さ……ケースの重量もあったのね……と思い知らされました。軽い。
デメリット:
・中身が割れやすくなる
これは外す時もそうなのですが、落としたりした時の衝撃には圧倒的に弱くなります。
移し替える際無事だったあいつも、移植後のふとした拍子にめちゃくちゃ割れた（再びのD.ゴージャス）。
軽くて持ち運びしやすくなった半面、割れやすくもなるというね……この辺は痛し痒しです。
・鏡がなくなる
個人的にはNARSの各ケースについている鏡使ってなかったのでそこまで大きなデメリットではないのですが、これ外で使用する人とかはデメリットかも。
そんなこんなでまあまあ時間はかかったのですが、今全て移植が終わって使い始めています。
⋆こちらはケース替えの途中、一日かけても半分も終わらずあまりの道のりの遠さに絶望しながら撮った一枚です。
個人的にはすごい使いやすくなったので満足！という感じ。
自分史上最も可愛いと思っている廃番チークを気兼ねなく使えたり、改めて色んな色のアイシャドウを使おうと思えたり中々良いなーと思います。
やっぱ使い勝手とかって普段使うものに影響していきますよね……。
ただ、改めてになりますがよく言われる化粧品の使用期限と合わせて
やっぱり昔の化粧品（特にアイシャドウとリップ）は質感が何となく今っぽくない＝古くさいとなりがちなのは否めないなぁと思います。
個人的には半分コレクションのつもりなので良いといえば良いのですが、時間とお金のかかる作業なので所持数がそんなに多くなくて今も既存色であるカラーにかんしてはそもそも新しいものに買い替えるのも手だなと思いつつ。
ケースのベタベタにお困りの方に、参考になれば幸いです。
